恵比寿の小さなギャラリー


恵比寿にある小さなギャラリーです。日々に"風"を運んで来てくれる作品を展示いたします。

2016/02/24

七夕写真館 33の写真と手紙 写真:市川勝弘



【山小屋企画展】

七夕写真館  33の写真と手紙
写真 市川勝弘

会期:2016年3月3日(木)〜 6日(日)12:00〜19:00
※3月4日(金)は20:00まで
オープニングパーティー:3月3日(木)19:00〜21:00
会場:gallery and shop 山小屋(東京都渋谷区恵比寿1-7-6 陸中ビル1F)
企画:七夕写真館制作チーム


<概要>
 2015年の7月、東京・恵比寿にある二坪だけの小さなギャラリーで「七夕写真館」という企画が行われました。これは、七夕に際して三日間だけ昔ながらの写真館が現れるというもの。撮影者は写真家・市川勝弘です。

 もともと市川は、東日本大震災前に、夫人の実家がある福島県双葉郡楢葉町の写真を撮りため、「日常」と名付けて写真展を開催してきました。そこに写っているのは、なんの変哲もないけれども、大切でかけがいのない“日常”でした。「七夕写真館」は、市川が一貫してテーマとしてきた“大切な日常”を、ポートレイトという形態で表現しようとするものです。「七夕」という言葉に吸い寄せられるように集まってきたのは、33組の人々。大家族7名や、これから三つ子を出産しようとする夫婦、うさぎや犬を連れた人々もいれば、今の自分の姿を収めたいという人もいました。

 この七夕写真館は、普通の写真館とは異なる点がひとつありました。なにしろ七夕なので、誰かに想いを伝える日にしたい。そう考え、参加者それぞれが誰か大切な人に手紙をしたためてくることを約束事としました。撮影後、市川は写真をモノクロの銀塩プリントで仕上げました。そして、写真と手紙という、ふたつでひとつの、そして撮影者と参加者の共同作業による、独特の光を放つ作品群ができあがりました。
そしてこの度、「七夕写真館」で撮影されたこれらの写真と手紙を、撮影場所だったギャラリー「山小屋」にて展示いたします。あのどこか不思議な時空が存在した写真館の空気が、今度はひな祭りの日によみがえることでしょう。

 また、これらの写真と手紙を図録としてまとめることとなりました。この図録には、知らない人々の家族写真、そして、ごく私的な言葉が収められています。しかし、そのページをめくるうちに、見る人の心の奥に温かなものがこみ上げ、どこか懐かしい気持ちになるではないかと思います。それが、また誰かを想う気持ちを生み出し、気持ちを言葉にしたくなる、そんな力を持つ一冊になることを願っています。


<図録仕様>
2冊組 ※モノクロポートレート写真集の中に、付録として手紙の冊子を挟み込む体裁
部数:250部

価格:3,500円(税込)



<プロフィール>

市川勝弘  (写真家) 

1955年静岡県浜松市生まれ。専修大学法学部卒。六本木スタジオに約2年在籍後、坂田栄一郎氏に約6年間師事。1986年よりフリーランスとなり、広告業界を中心に活動中。
東日本大震災後、自身の思いをもってスタートした「福島スマイルプロジェクト」は、日本各地はもちろん、海外や羽田空港などにおいても開催。震災前に、夫人の出身地・福島県双葉郡での暮らしを撮影した写真展「日常」は、スパイラルガーデン(東京・青山、2011年)やレオポルド美術館(オースト
リア・ウィーン、2012〜2013年)など、各所で催されている。

【写真集】 
・「ZUHAUSE IN FUKUSHIMA」Judith Brandnerとの
 コラボレーション(Kremayr & Scheriau、2014年)
・「FUKUSHIMA」福島県双葉郡楢葉町1998〜2006年 
 (トゥルーリング、2011年) 
・「goma」(私家本、2009年) 
・「エゴ ノ キ」(六耀社、1994年) 
・「ありがと、ね。」(私家本、2005年) 
・「虫 熊野の森から―紙彫刻の絵本」 
 谷内庸生とのコラボレーション(東方出版、2002年) 
・「顔 ―紙彫刻の絵本」 
 谷内庸生とのコラボレーション(東方出版、2001年)  

【主な受賞歴】 
・ニューヨークADC銀賞(1996年)
・ニューヨークADC金賞(1995年)

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